月々の法話

月々の法話

収穫の秋


 厳しい大本山永平寺での修行中、一番感じたことは、「人間が生きていくうえで何が必要最低限のものか?」ということであり、それは、食べることであり、寝ることである。ということだ。食事と睡眠時間を極端に制限される修行の中で、人間にとって一番必要なものが見えてくる!すなわち、人間を育て、生きる力を生み出してくるのは食べることであり、身体をしっかり休めることである。
 高度経済成長の時代が終り、心の豊かさが求められる時代となり、食べることの大切さが見直される時代になった。ブログでも、家庭菜園の記事を載せている人は多い。私も、ブログの山寺日記に畑で作っている野菜を紹介しているが、いつも、反響の大きさに驚かされている。スーパーマーケッへ行けば一年中新鮮な野菜が手に入る。しかし、それだけでは物足りないと思う人も増えている。種を撒いたり植え付けてすぐに食べられる野菜もあれば、半年、一年かけて収穫にこぎつける野菜もある。蒟蒻などは3~4年かけてやっと収穫できる。時間と手間はかかるがそれだけに収穫の喜びは大きい。8月に開業したつくばエクスプレスの沿線では家庭菜園つきのマイホームが売り出されて注目を浴びているという。野菜を作る喜び、収穫の喜びを知る人が増えてきたのではないだろう。
 以前は里芋をあまり食べなかったうちの子どもたちが、一緒に芋掘りをしてからは、里芋が大好きになった。実際自分で育てた野菜たちは本当に美味しいのである。

2005-11-01 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

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