月々の法話

月々の法話

岩手巡回を終えて


 6月14日、朝のニュースで緊急地震速報が流され、茨城でも、その直後に大きな揺れを感じました。5月末に福島での梅花流全国大会の後、茨城県の宗務所梅花講一同で、水沢の正法寺を訪れたばかりでしたので大変驚くとともに、大変心配いたしました。
 6月下旬に梅花流特派巡回で岩手県を巡回した時、尊い人命が失われ、まだ行方不明になられたままの方がいるとのことで、岩手県宗務所でも対策本部を設置し、情報収集と復旧活動を行なっていました。
 寺院には位牌など倒れやすいものが多く、額なども大きな揺れで落下したりします。境内や墓地の石の構造物も倒れやすく、大きな地震の時には甚大な被害を受けます。地元では宗務所や青年会が中心になって復旧へのお手伝いをしているとのことですので、私も本堂においてあった義援金の箱に少しですが入れてきました。

 心配な面も多かった岩手巡回ですが、私が担当した地区が北のほうだったこともあり、また、地元の皆様に大変良くして頂き無事に全日程を予定通り勤めることができました。
 海の幸が豊かで陸中海岸の絶景が広がる宮古から、自然が豊かで古くからの歴史が残る九戸、二戸、紫波といったあたりを回ったのですが、岩手は本当にひろいなぁと感じました巡回でした。特に盛岡から宮古へ抜ける道路は、山の奥深さを感じながらの二時間半の移動でした。

「峰の色 渓の響きも みなながら わが釈迦牟尼の 声と姿と」

と道元禅師は歌に詠まれました。豊かな自然は本当に人の心を豊かにしてくれると思います。
 洋野町大野という地区では、子供たちが給食で使う食器や箸などをすべて地元産の木材から作っているそうです。いろいろ学ぶことの多い巡回でした。
 帰りの新幹線からは被害の大きかったあたりにある栗駒山が良く見えました。被災地の復旧を願いながら自坊へと向かいました。

2008-07-01 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

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