月々の法話

月々の法話

何も悪くないのです


 6月の上旬に群馬県を梅花流特派師範として巡回してきました。ツルが舞う姿にたとえられる群馬県は山が高く、川がきれいで、温泉も良かったです。沼田にから入り、長野原、妙義、前橋、館林、桐生と回りましたの移動距離はかなりのものでした。 初めて入った草津温泉は、硫黄の匂いが強く、身体を癒してくれました。
 さて、今年の特派巡回では、4月の特派協議会の際、曹洞宗管長禅師よりお預りした告諭をそれぞれの会場で読み上げお伝えする事になっています。7年目にして初めての事で緊張しましたが、平易なお言葉は参加者の心に届いたようです。「混迷する現代社会我々の力で少しでも良い方向へ変えていこう。」 という力強いメッセージは、我々に力を与えてくれます。ひとりではどうにもならないことも、みんなで願ばれば世の中を変えていく力になります。助け合う仲間がいることは心強いことです。悲しみ悩む人に「ひとりではないよ。」 ということを、愛語を通して伝えていけたらと思います。

 ある会場で、まだ梅花を始めたばかりの講員さんがいました。聞けば、ある事件で大切な人を失った犯罪被害者家族の方でした。被害にあわれた方は、自分にも落ち度があったとか、もし、自分が別な行動をしていれば助かったかもしれない。などと自分を責めてしまいます。でも、被害者はちっとも悪くないのです。悪いのは身勝手な理由で犯行に及んだ犯人です。未解決の凶悪事件は数々あるし、犯人が捕まっても癒されない被害者家族も大勢います。そうした人たちにも、「ひとりじゃないよ!」と愛語を語りかけていきたいとあらためて思いました。

 現代社会において、孤独感を味わっている人、疎外感を味わっている人も多いと思いますが、そう人にも愛語が届いてくれればと思います。『愛語(あいご)能(よ)く廻天(かいてん)の力(ちから)あることを学(がく)すべきなり』 道元禅師が正法眼蔵の中で示された言葉です。

2009-07-01 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

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