月々の法話

月々の法話

雪裏の梅花只一枝


1225年(嘉禄元年-宋の宝慶元年)5月1日、道元禅師は、天童山において、はじめて如浄禅師にまみえた。 道元禅師は、その時のことを、『正法眼蔵-面授の巻』で、如浄禅師ははじめて道元を見るや、手をとり顔と顔をあわせてこれで、仏仏祖祖の面授がなったのだよと仰せられた。それは、とりもなおさず、お釈迦様とマハーカッサパの「拈華微笑」、達磨大師と慧可大師の「得髄」、五祖弘忍と六祖慧能「伝衣」に他ならないと申されたとしるしてある。厳しい坐禅修行を続けた道元は、9月18日如浄より仏祖正伝の大戒を受けることになるが、如浄禅師は道元を一目見た時に、この日がくることを予測していたのだろう。 如浄禅師は、「雪の中でほんの一枝咲いた梅の花が、天童山中に良い香りを漂わせているよ!・・・」と詩によんでいる。道元の伝えた正法の眼目は、多くの人の手をへて、日本中へ、世界中へと広がっていった。 いよいよ今月から道元禅師七百五十回大遠忌法要が10月まで奉修される。今、この時代だからこそ、たくさんの人に道元禅師の教えにふれていただきたいものだ。
2002-03-02 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

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