縁起について
「縁起が悪い」というのはよく使う仏教用語ですけど、間違った使い方です。本来「縁起」に良いも悪いも無いのです。 縁起とは、お釈迦様の教えの中に出てくる言葉で、「縁りて起こる」ということです。すべてのことは、縁りて起こる。原因があって結果があるということをいいます。それが、通俗的に使われるようになって、縁起が悪いといって、死に結び付けて四を嫌ったり、苦につながるからと九を避けるのは、全く意味の無いことだといえるでしょう。四・九を避けるのだったら四国や九州から出て行かなければなりませんよね。 数字の四や九を避けても、暴飲暴食をしたり、乱暴な車の運転をしていたのでは死や苦は近づいてきます。食生活に気をつけ暴飲暴食をしない。車を運転する時や、道路を歩く時に十分注意をはらうというのが、死や苦を避ける有効な方法だといえるでしょう。 このように、冷静に考えると、普段あたりまえのように考え、行っている行動様式の中にも、こだわらなくてもいいことがたくさんあります。大乗仏教では「空-くう」、禅では「無」という言葉を使いますが、とらわれない心で自由に生きる!本当の仏教者は迷信に惑わされてはいけないのです。2001-07-01 | Posted in 月々の法話 | Comments Closed