月々の法話

月々の法話

シジュウカラの巣立ち


 1月23日に袋田小学校の5~6年生が自分達で作った巣箱を境内や裏山の木々に掛けていきました。桜が咲く頃、それらの巣箱に苔などをくわえたヤマガラやシジュウカラが出入りするようになりました。どうやら巣作りをしているようです。やがて、5月に入ると、親鳥達が交互に餌を運ぶのが見られるようになりました。小さな芋虫をどこからか運んできます。一週間もたつと餌の虫がだいぶ大きくなり、5~10分間隔で餌を運んでいます。そして、巣から出る時はフンをくわえて出て行きます。そうした姿は、朝早くから夕方まで続きました。

 シジュウカラの雛は孵化から20日位で巣立つといわれてますが、5月も半ばを過ぎるとオスは、すぐに巣箱に餌を運び込まず、巣箱の周辺を飛び回りながら餌をくわえたまま鳴くようになりました。それは、雛たちの巣立ちを促すかのようでした。そして、ついに巣立ちの時を迎えました。2~3匹が巣立ったあと、しばらくしてまた数匹が巣立ちました。翌日には最後の雛も巣立ち、巣箱も静かになりました。

 人間も多くの生物と一緒に地球上で生命の営みを続けているわけですので、野生の生物から学ぶことも多々あります。特に、親鳥たちが懸命に雛を育てる姿は見習わなければならないと思いました。
 子供たちが作った巣箱に守られ、ヘビやカラスなどの天敵に襲われることもなく、元気に巣立っていった子鳥たち、まだ、境内の近くにいるようで、昨日の朝も親鳥が子鳥たちに向かって鳴いていました。

2009-06-01 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

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