月々の法話

月々の法話

NHKドラマ「おひさま」のロケ地大子町


 6月下旬には、神奈川県第二宗務所管内での梅花流特派巡回を勤めてきました。初日の会場が横浜市の西有寺さま、そして、最後の日に検定会が開かれたのも西有寺さまでした。西有寺は曹洞宗の専門僧堂です。
 私の父は、昭和17年の12月に世田谷中学校を繰り上げ卒業した後、20年の5月に出征するまで西有寺で修行していました。父は宇都宮の連隊に入営し、中国北部へ送られたところで終戦。比較的早く帰ってこれたそうです。しかし、父の修行仲間や、学校の同級生など何人かは戦地から帰ってこれませんでした。  巡回中、各教場で、「おひさま」のロケは大子町の旧上岡小学校で行われているんですよ!と、話をすると、みなさん興味深く聞いてくれました。おひさまを観ると、改めて当時は本当に大変な時代だったんだなぁ・・・と感じます。
 横浜は空襲で焼け野原になり、父の修行した西有寺も焼失し、戦後再建されたそうです。横浜は大正12年9月1日の関東大震災でも大きな被害を受け、街中ががれきで覆われたと記録が残っています。その瓦礫を埋め立てて造成したのが山下公園なのだそうです。
 みなとみらい地区や元町の商店街、中華街の繁栄など、今の姿からはとても想像ができませんが、京浜地区震災や空襲から復興して来た地域でもあるのです。

 時代を経ると、そうした時代の記憶は 毎日暮らしている人の記憶からは薄れていきますが、まさに、苦難を乗り越えてきた歴史があるのです。

 今は、宅地開発がすすんだ横浜市や川崎の内陸部もかつては自然が豊かな里山の風景が広がっていたそうです。横須賀や茅ヶ崎、湘南と呼ばれるおしゃれな地域を時の流れを感じながらの巡回でした。巡回の様子は山寺日記で・・・

2011-07-01 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

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