月々の法話

月々の法話

道心利行御和讃の解説 4


3、生死流転(しょうじるてん)の現世(うつせ)にも
   心(こころ)を澄(す)まし 爽(さわ)やかに
     今日(きょう)の勤(つよ)めを励(はげ)みなば
       菩提(ぼだい)の月(つき)は 宿(やど)るなり
   あなたを信(しん)じ 支(ささ)えあい
     希望(のぞみ)を抱(いだ)き 進(すす)み行(ゆ)く

 道心利行御和讃の解説の最終回です。意味の解説は作詞された遠藤長悦老師にお任せし、別な角度からこの歌詞を味わいたいと思います。「利他行」は実践行です。東日本大震災では被災地へ行って活動する人の姿が多く見られ、それは今も続いています。しかし、いろいろな事情で現地に行けない人もいます。行けなければ何の役にも立たないのかというと、そうではありません。被災地の人々の心の支えには誰でもなれるのです。
 去年、秋田県曹洞宗青年会の法友の紹介でから「ビハーラ」の復興Tシャツの存在を知り、それで、東北復興支援Tシャツを檀家さんにも勧めて、たくさん購入しました。今年も追加購入させて頂きましたが、それは、岩手県大槌町のサッカースポーツ少年団のユニフォームを贈るという支援につながりました。そのシャツを作った印刷業者さんからは、復興支援の「さけ最中」が送られてきました。鮭は、故郷に戻ってくる象徴だそうです。人と人とつながり、「絆」という言葉をあらためて感じた出来事でした。
 「今日の勤めを励みなば」という詞には、我々が毎日勤めていることの大切さが言い表されています。正しい心を保つにはこの日々の勤めが大切です。信じられる間柄であることも大事です。あなたを信じ、支えあって、進んでいきたいものです。希望を抱いて・・・

2012-10-01 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

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