月々の法話

月々の法話

慕古の心


道元禅師の750回大遠忌まで、あと一年となりました。今年は、一年前に勤められる予修法要が日本各地で、世界各地で勤められています。 750年という気の遠くなるよな歳月が流れても、道元禅師が我々に教え示してくれるものは変わりません。「此、一日の身命は、尊ぶべき身命なり、貴ぶべき形骸なり」と、その著書『正法眼蔵』で述べられている通り、一日一日を一生懸命修行として生きることが道元禅師の教えなのです。 永平寺の貫首で、曹洞宗の管長を勤められている宮崎禅師は百一歳です。僧堂まで行くのに時間がかかるからと言って、修行僧よりも早く起きて朝の坐禅に向かうのは、私が修行をしていた十八年前、監院職にあった当時と変わりません。その禅師さまが、今回の遠忌のテーマとしたのが『慕古』(もこ)です。慕古とは、ただ古いものを慕うだけではありません。教えを学び、それを現在に生かし、実践していくことがすなわち慕古なのです。 今も、永平寺では、道元禅師の教えそのままの修行が続けられています。どうぞ、この機会に永平寺を訪れてみてはいかがでしょうか。できれば、一泊して、永平寺のさわやかな風とせせらぎの音にふれていただきたいものです。
2001-10-02 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

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