月々の法話

月々の法話

大震災から三年たって・・・


 4月1日の今日、境内にそびえる樹齢90年のソメイヨシノが開花しました。寒さも厳しく大雪も降った影響で梅の開花は遅れましたが、桜の開花は例年よりいくらか早いような感じです。桜が咲くといよいよ春本番です。心も体も軽くなる気がします。
 大震災から三年となる3月11日に、茨城新聞では「復興へ一歩ずつ」と題した16ページに及ぶ特集号を発刊した。3月分の郷土紙批評で、そのことについてもふれさせて頂いた。停電、断水、そして建物、道路、鉄道の被害などで、大変な思いをしたにもかかわらず、すでに遠い記憶となっている自分に気づく。沿岸部の被災地では、未だに仮設住宅暮らしから抜け出すめどさえ立っていない人々がいるのにである。

 今日のニュースで、田村市都路地区の避難指示区域の指定が解除されたと伝えられた。都路地区ときいて、ピンとくる人は少ないかと思うが、私の従兄弟が住職を勤めるお寺があり、子供のころから何度も行っている私にとっては懐かしい場所である。
 従兄弟は私より一歳年上の55才、すでに長男が結婚し、孫もいて普通に暮らしている。そ普通に暮らせることの有り難さを感じられる春であろう。4月に入ると、福島県内を桜前線が彩っていく。三春の滝桜は有名だが、その周辺にはいろいろな桜の名木があるし、会津には八重の桜のモデルになった樹もある。皆さんにもぜひ福島を訪問し、美しい桜を見てほしい。有名でないお寺の境内にもびっくりするほど見事な桜が有ったりするのが福島だ。

 桜が散れば、山桜と新緑が山を美しく染めていく。春になれば当たり前に咲く桜、そこに普通の暮らしが有ることは、実は有り難いことなのであると改めて感じた三年目の春である。

2014-04-01 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

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