月々の法話

月々の法話

盛くん、菊池盛昌さんとのこと


9月も今日で終わりです。9月の法話は、先月から構想をまとめておいたのですが、なかなかアップできずにいました。夏休みの宿題みたいに最後の晩に書いてます。

先月の末に、菊池盛昌さんの追悼コンサートがまいんであり、私もステージに登り、思い出のスピーチをさせていただきました。

不自由な体で、50号、100号といった大作から、卓上に飾れる絵やコンピュータ画まで、たくさんの絵画を残されました。また、シンセサイザーを駆使して、音楽も創り出しました。本当の意味でのクリエイターであり、芸術家でした。彼は、心の中にあったものを泉が湧き出るがごとく作品にしていきました。不自由な体で、自由に表現できたのは、お父さんである菊池国夫さんやご家族、そして、絵筆が持てなくなった盛くんに、特殊なマウスを使ったドット打ちの描法を教えてくれたパソコンの先生方の力添えがありました。

今月、菊池国夫さんが、盛昌くんが、平泉に行った時、中尊寺を見て感動して描いたという50号の大作「金色堂」を龍泰院の本堂に奉納入してくれました。私は、インターネットを通して、彼の不自由さを意識することなく、交流をさせていただき、龍泰院開山480年を記念して作ったポロシャツのデザインをお願いしたりしました。実際に彼と会っている時は、言葉がわからず、国夫さんの通訳が必要でしたが、ネットでは普通に会話が成り立ちました。かれは、平成26年1月2日に亡くなってしまいましたが、彼が不自由な体で自由に描いた作品の数々は、多くの人を勇気づけることでしょう。そんなことを感じながら、奉納された金色堂の内部を描いたその絵を眺めていました。

2015-09-30 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

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