月々の法話

月々の法話

104歳の禅師さま


6月9日~11日にかけて、バス一台で檀信徒をひきつれ大本山永平寺と宇治興聖寺など京都の祖蹟参拝の旅に行ってきました。 何度行っても、永平寺の荘厳な雰囲気はいいものです。本山参りからもどった翌日の12日、「NHKスペシャル永平寺104歳禅師」という番組が放送され、数え年104歳の宮崎禅師が紹介されました。永平寺の禅師さま、さぞかし、難しい話をされるのかと思いましたが、そうではありません。その教えはいたって簡単なことで、たとえば、お線香はまっすぐ立てて上げなさい。スリッパや履物はきちんと揃えて脱ぎなさいということです。きちんとそろえれば、心も真っ直ぐになるということです。簡単なことですが、いつも心がけてないと出来ないことです。 それから、禅師さまは、毎朝、坐禅を欠かしません。それは、私が永平寺で修行していた昭和57年当時もそうでした。大本山永平寺監院という一番大変なお役にありながら、坐禅にむかわれるのは一番先です。振鈴の鳴らされる午前3時30分には、すでに坐禅をされているのです。偉い人は、後から出てくるというのが一般的でしょうが、永平寺は違います。104歳の禅師さまが先頭に立って修行されているのです。最初に感じた、永平寺の荘厳な雰囲気、凛と張りつめた空気の源はそこのところにあるのでしょう。 テレビで拝見した禅師さまの食事には、湯ムキトマトがありました。私も、大庫院にいた時は、湯ムキトマトをお出ししていたので、とても懐かしい思いがしました。肉や魚を召し上がられない禅師さま、湯ムキトマトとお豆腐、そして毎日欠かさない坐禅が長寿の秘訣だと思います。 私はこのたび、6月25日に兵庫に入り、7月3日まで、梅花の特派講習を勤めさせていただきました。5月の法話で紹介させていただいた、岡本和雄さんの義兄にあたる方にお会いすることが出来、和雄さんにその後、男の子が生まれたいうことを知りました。私の息子と同じくらいの歳のようです。私にとって何より嬉しい知らせでした。あの震災から、もう半年で10年となります。
2004-07-04 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

関連記事