月々の法話

月々の法話

広がる海は はてしなく・・・・


 6月には梅花流特派講習で宮城県北東部を巡回しました。石巻や気仙沼など海の恵みと大地の実りが豊かな所です。人情味あふれる東北の地で多くの方との出会いがありました。

 さて、先月に引き続き梅花流新曲「まごころに生きる」の解説をさせて頂きたいと存じます。

2、広がる海は はてしなく  全ての命 はぐくむよ
  人の心も おおらかに 互いを敬い信じ合おう
  ほほえみひとつ、涙ひとつ 出逢いも別れも 抱きしめて
  生きてる今を 愛して行こう

 二番の歌詞は「同事」という教えを表現しています。道元禅師は流れ込む水を拒むことなく受け入れる海にたとえて「同事」を説いています。地球上に存在する全ての命を育んできたのは海ですし、もし、大量の水が海という形で地球上に存在してなかったら、地球は灼熱地獄、あるいは極寒の世界となっていたことでしょう。

 国際化が進んでいる日本社会、私の住む田舎も例外ではありません。外国からの花嫁さんも大勢います。また、海外からの企業研修生や外国人労働者もいます。理屈では差別はいけないとわかっていても、実際に自分の事となると文化の違いや、言葉の違いでいがみ合い傷つけあってしまう事もあります。
 ご近所や家族との関わりにおいてもそうでしょう。そんな時、一人ひとりがおおらかな心を持ち、互いを敬い信じあっていこう!という願いがあらわれています。

 大本山永平寺の宮崎禅師さまの書による「同事-ともに生きよう わけ隔てなく」というポスターが曹洞宗の檀信徒に配られたことがあります。一人ひとりが同事行を実践していけば大きな力になるのではないでしょうか!おおらかな心で生きてゆきたいものです。

 来月は三番の歌詞を解説します。

2006-07-01 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

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