月々の法話

月々の法話

仏陀への信仰


 先月に引き続き、ミャンマーのお話しをさせて頂きます。
 ミャンマーで一般的に信仰されている仏教は、中国や日本へ伝播した大乗仏教ではなく、部派仏教とか上座部仏教と呼ばれる仏教です。インドの東隣の国でありますから、お釈迦様当時の仏教がそのまま伝わったかというとそうでもありません。大乗仏教の特徴である観音菩薩や文殊菩薩などの菩薩こそ登場しませんが、古い時代の仏教にはなかった仏塔や釈迦像、涅槃像に対する信仰もあります。それはすなわち、時代がたってからインドの仏教が伝わった証拠でもあります。

 何よりミャンマーを訪れた外国人が驚かされるのは、黄金に輝く巨大な仏塔です。そして、それが人々によって寄付された金箔を貼ることにより輝いていると知るとさらに驚くことになります。大変貧しい生活の中でも人々は仏に功徳を積もうと仏塔や仏像をに金箔を貼ります。一生をかけて寄付を続け功徳を積むのです。
 ミャンマーでは人が亡くなると僧侶を招き一週間僧侶に食事を供養し、お経を上げてもらうそうです。そして、その時、それまでの功徳を僧侶によって証明してもらうとのことでした。

 すなわちミャンマーの仏教徒は、生まれてから死ぬまで、仏さまの教えにしたがって生きていくのです。悪いことをすると罰が当たる。そう信じているので仏様を裏切るようなことはしません。日本でも昔はそれがあたりまえでしたが、今は、つかまらなければ、ばれなければ何をしてもかまわない。という考えで悪いことをしてしまう人が増えています。日本人が誰もが持っていた道徳心が失なわれつつあるのは大きな問題です。われわれ宗教者や教育者がもっともっと努力していかなければならないと思いました。便利な生活と引き換えに日本人が失ってしまったもの多さをミャンマーへ行って気づかされました。

2007-04-01 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

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