月々の法話

月々の法話

トンボのように蝶のように・・・いつも近くで


 NHKの朝の連続ドラマ「ゲゲゲの女房」も9月いっぱいで放送終了となります。昭和の時代の暮らしぶりが、描かれていてとても懐かしく感じました。

 さて、その中で「死んだ人はいなくなるのでなく、ずっとそばにいて見守ってくれていると感じるのよ。」いう松坂慶子さん演じる美智子さんの台詞がありました。お盆は、ご先祖の存在を感じる時節でもあります。古いお墓をお参りすると、天明とか、天保という年号が刻まれた墓石があったりします。ご先祖様が確かにいた証しですが、その時代までさかのぼると自分にも数え切れないほどのご先祖様がいたことになります。もし、そのうちひとりでもいなかったら、自分につながる命が途切れてしまったとしたらどうだったでしょうか?自分というものは存在しないだろうし、世の中も変わってしまっていた事でしょう。

 お盆になると、ご先祖様が、帰ってくるといいますね。遠くへ行っていた人が帰ってくるのでなく、実は、いつも、そばにいて私たちを見守っていてくれるのかもしれません。一生懸命頑張っていると、何かが手を差し伸べてくれる。そんな事を感じた事は、ありませんか?私は、何度もそんなことを感じる出来事がありました。ご先祖さまが帰ってくるというよりも、実は、いつも身近で守ってくれているご先祖様の存在を確認できる時がお盆なのかもしれません。境内をパトロールするかのように飛び回るトンボや花から花へと舞う蝶を見ていてそんな事を考えました。

 先月の法話で触れた、所在不明の高齢者は、どんどん増えています。「死んだ人はずっとそばにいる。」というのは、きちんと葬儀をした上での話しですので、おかしなことにならないようにしっかり生きてゆきたいものです。

 8月11日に得度式を行った長男の光尚に僧籍登録証が届きました。まだ10歳ながらも、これで、正式に僧侶の仲間入りをした事になります。夏休みにはトンボを追いかけて遊んでましたが、夏休みの自由研究としてそれをまとめました。畑に行って、おばあちゃんの手伝いをしたりもしました。そういう心を大事にして欲しいです。

2010-09-01 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

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