月々の法話

月々の法話

大きな心 


 大悟寺さまでの、典座の話しに戻ります。今回の上げ膳では食材にこだわり、北海道の農産物や海産物、それと茨城の農産物など国内産で安心できる食材を多く使いました。現地で調達してもらったカボチャが茨城産の那珂カボチャだったのにはびっくりしましたが、他にも人参や納豆など茨城産のものが出回っていて嬉しく感じました。

 煮物に使ったカボチャは前日手伝いの女性の方に切り込んでもらいました。一応私が面取りをした見本を示して、このように切り込んで下さいと指示したのですが、大勢で切り込んだので形は様々です。以前の私でしたら、後から自分で手直しして均一に整えたかもしれません。でも、この時はなぜかいろいろな形があっても良いかな?と思いそのまま煮ました。

 カボチャの煮物は火加減が難しいです。形を気にしすぎると堅いところが残ってしまうし、火を加えすぎると煮崩れてしまいます。この時も火を止めるタイミングが遅れてけっこうに崩れたのが出てしまったのですが、多めに切り込んでもらったので盛り付けるだけの数を確保することができました。十分に煮たカボチャは美味しいと評判でした。

 「大山や大海のように高く、広い思いをもち、一方に片寄ったり固執せず差別することのない平等で大きな心」を大心といいます。駅や街角、店先で些細なことから大きな事件が起こる世知辛い世の中になってきています。大きな心!少しだけでも心に余裕を持って人に接したいですね。

2007-08-01 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

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