月々の法話

月々の法話

亡き人の安寧を願う


10月には、愛知県第一宗務所を特派巡回し、七会場で梅花流詠讃歌の指導をさせて頂きました。今年は、新曲『新亡精霊供養御和讃』が発表されましたので、その曲を中心に講習致しました。

新亡精霊供養御和讃

 1、永遠(とわ))の身命(いのち)と 願えども
   無常の風に さそわれて
   愛惜(おし)みて 散れる 花なれば
   別離(わかれ)の涙 頬つたう

 一番の歌詞では、別れの苦しみ、世の無常ということが表現されています。お寺の住職という立場にあると、いろいろな別れの場面に立ち会うことが多くなります。愛する肉親との別れは悲しく苦しいものです。  回りに親戚や近所の人がいるときは気丈に振舞っていることが出来ますが、一人になると悲しみがこみ上げてきます。

 2、揺れる灯明(みあかし) あの笑顔
   あなたに逢えた よろこびと
   深い絆に 結ばれた 
   煌(きらめ)く 慧命(いのち) 忘れ得ん

 二番の歌詞では、霊前にたたずんだ時、揺れる灯明に亡き人の姿を思い浮かべ、有り難いご縁によって巡りあい、ともに過した日々に思いをはせながら、尊い命のつながりと生前に受けたご恩への感謝の気持ちを表しています。

 愛知は、お寺と檀信徒の繋がりが強い地域です。毎月、菩提寺からお檀家さんへ、お経をあげに来てくれます。また、お檀家さんが亡くなると、枕経をあげに駆けつけてくれます。大切な人を失った人も、そうした、供養を通じて心を癒され、悲しみを乗り越え、再び生きていく力となっているのだと感じました。
 3番、4番には、亡き人を供養し、安寧を願う歌詞が綴られていますので、来月の法話でご紹介致します。 

2007-11-01 | Posted in 月々の法話Comments Closed 

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